Stable Diffusionで理想の画像を生成するのは意外と難しいものです。「ネガティブプロンプトを上手く設定できない」「効果的なネガティブプロンプトが分からない」といった課題に直面する方も多いでしょう。
しかし、ネガティブプロンプトを適切に活用することで、理想の画像生成に一歩近づくことができます。ネガティブプロンプトとは、画像生成AIに「この要素は含めないでほしい」と指示する否定的な言葉のことです。うまく設定すれば、不要な要素を除去し、クオリティの高い画像作成が可能になるのです。
例えば、キャラクターの体の歪みを避けたり、常識に反する不自然な構図を防いだり、微細な品質向上を行なったりと、ネガティブプロンプトには様々な利点があります。
本記事では、Stable Diffusionにおけるネガティブプロンプトの重要性と、効果的に設定するためのコツをご紹介します。ネガティブプロンプトの力を理解し、上手に活用することで、きっと理想とする素晴らしい画像が生成できるはずです。
ネガティブプロンプトの一覧も紹介してます。コピペして使ってくださいね。
はじめに
Stable Diffusionの概要説明
Stable Diffusionはオープンソースの画像生成AI です。テキスト入力(プロンプト)からリアルな高品質画像を生成できます。プロンプトの設定次第で出力が大きく変わるため、ネガティブプロンプト(生成させたくない要素)の適切な指定が重要となります。
ネガティブプロンプトとは何かの簡単な説明
ネガティブプロンプトとは、Stable Diffusionにおいて「生成してほしくない要素」を指定する機能のことです。プロンプトで「入れたい内容」を指示するのに対し、ネガティブプロンプトでは「除外したい要素」を明示します。
例えば、次のようなネガティブプロンプトを設定できます。
「ノイズ」「奇形」「表情が笑っていない」「非対称」など
プロンプトとネガティブプロンプトを組み合わせて使用することで、理想とする高品質な画像生成が可能になります。Stable Diffusionでは必須の機能と言えるでしょう。
不要な要素を事前に除外することで、よりユーザーの意図に沿った出力が得られるため、ネガティブプロンプトを効果的に活用することが重要です。
ネガティブプロンプトの重要性
なぜネガティブプロンプトが重要なのか
Stable Diffusionではプロンプトで「生成してほしい要素」を指定できますが、それだけでは理想の出力にならない場合があります。ネガティブプロンプトで「生成してほしくない要素」を除外することが重要になってきます。
不要な要素を残したままだと、出力画像の品質が下がったり、意図しない部分が生成されてしまう可能性があるからです。ネガティブプロンプトを設定することで、そういったリスクを軽減でき、ユーザーの意図により沿った高品質な出力が期待できます。
画像生成への影響
適切なネガティブプロンプトを設定することで、出力画像の質を大きく向上させることができます。具体的には以下のようなメリットがあります。
・ノイズの除去により、クリアで綺麗な画像になる
・奇形や歪んだ部分を防ぐことができる
・常識に反する非現実的な要素を排除できる
・微細な部分までこだわった仕上がりになる
つまり、ネガティブプロンプトをうまく使いこなせば、理想の高精細で高品質な画像生成が可能になるということです。
具体的な成功例
ネガティブプロンプトのメリットをいくつか具体例で見ていきましょう。
【ノイズの除去】
綺麗な女性の写真
プロンプト:「A photo of a beautiful woman」
ネガティブプロンプト:「utan, skin_pores, ugly, deformed, mutated, pixelated, bad_anatomy」
→綺麗で滑らかな肌の女性の写真が生成される
【奇形の防止】
魔法使いの女の子
プロンプト:「magical girl」
ネガティブプロンプト:「bad anatomy,deformed, mutated, disfigured,bad hands,extra digit,fewer digits, missing fingers,ugly face, bad face,deformed eyes,longbody, long_neck, long_body,missing arms, extra_arms, extra_legs,disconnected_limbs, floating_limbs,bad proportions」
→キャラクターに奇形がない整った作画の魔法使い
【非現実的な要素の排除】
落書きされた街の風景
プロンプト:「A cityscape marked with graffiti」
ネガティブプロンプト:「worst quality, low quality, blurry, Text, nonsensical, deformed, mutated」
→現実的で自然な落書きのある街の風景
風景については、より鮮明にするかどうかは好みの問題なきがします。今回の例では、ネガティブプロンプトありのほうが、木々が鮮明になっています。
ネガティブプロンプトを工夫することで、理想の高品質な画像を生成することができます。Stable Diffusionを活用する上で欠かせない重要な機能といえます。
ネガティブプロンプトの一覧
I. 画質・品質に関するネガティブプロンプト
I. 画質・品質に関するネガティブプロンプト | |
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low quality, poor quality | 低品質 |
worst quality | 最悪の品質 |
out of focus, blurry, bokeh | ピンボケ、ぼやけた |
ugly | 醜い |
JPEG artifacts | 圧縮による劣化 |
lowres, low resolution | 低解像度 |
normal quality | 普通の品質 |
error | エラー |
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II. 人体の形状・構造に関するネガティブプロンプト
II. 人体の形状・構造に関するネガティブプロンプト | |
---|---|
bad anatomy | 人体の形状・構造が不正確 |
deformed, mutated, disfigured | 変形している |
bad hands | 手の形が不自然または不正確 |
extra digit | 通常より多い数の指がある |
fewer digits, missing fingers | 指が少ない、指の欠損 |
ugly face, bad face | 容姿が醜い顔 |
deformed eyes | 目が歪んでいる |
longbody, long_neck, long_body | 身体・首が異常に長い |
missing arms, extra_arms, extra_legs | 腕・足が欠損または過剰にある |
disconnected_limbs, floating_limbs | 手足が繋がっていない、浮いている |
bad proportions | 体のプロポーションがおかしい |
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III. デザイン・スタイルに関するネガティブプロンプト
III. デザイン・スタイルに関するネガティブプロンプト | |
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oil painting, watercolor | 油彩画、水彩画のスタイル |
sketch | スケッチのスタイル |
flat color, flat shading | 単調な色使い、CGの要素 |
2D | 2次元のスタイル |
retro style, anime style | レトロ調、アニメ調のスタイル |
monochrome | 白黒、モノクロ |
minimalism | ミニマリズムのスタイル |
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IV. 構図・レイアウトに関するネガティブプロンプト
IV. 構図・レイアウトに関するネガティブプロンプト | |
---|---|
multiple angle, split view, grid view | 複数の画角、分割画面、グリッドレイアウト |
two shot, multiple people | 2人以上の人物が同じ画面に映る |
1 girl, 1 boy, 1 woman, 1 man | 1人の女性・男性のみを描く |
animal | 動物が描かれる |
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V. テキスト・マーキングに関するネガティブプロンプト
V. テキスト・マーキングに関するネガティブプロンプト | |
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text, watermark, signature | テキスト、透かし、署名 |
username, artist name | ユーザー名、アーティスト名 |
stamp, title, subtitle, date | スタンプ、タイトル、サブタイトル、日付 |
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VI. 表情・装飾に関するネガティブプロンプト
VI. 表情・装飾に関するネガティブプロンプト | |
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nsfw, pubic hair, nipples | 性的な表現、陰毛、乳首 |
make-up, rouge, mascara, blush | メイク、口紅、マスカラ、ブラッシュ |
open mouth, half-open eyes, closed mouth | 口を開けた表情、半開きの目、閉じた口 |
dot, freckles | ほくろ、そばかす |
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以上がネガティブプロンプトのカテゴリ分けと代表的な例です。
並び順の重要性と影響
ネガティブプロンプトの並び順については、次のようなポイントが重要なってきます。
ネガティブプロンプトの並び順の重要性
ネガティブプロンプトも基本的にはプロンプトと同様に、先頭に記載された単語ほど優先的に適用される傾向にあります。つまり、最初に記載したネガティブプロンプトが最も強く排除される要素となります。
ネガティブプロンプトの並び順を変更することで、出力画像に大きな影響を与えることができます。例えば、最重要で避けたい要素を先頭に置き、あまり重要でない要素は後半に記載する、などの工夫が考えられます。
ネガティブプロンプトの並び替えの具体例
具体例を挙げてみましょう。
例1) ネガティブプロンプト: “nsfw, bad anatomy, low quality“
この場合、性的な表現、人体の歪み、低画質がそれぞれ強く排除されます。
例2) ネガティブプロンプト: “bad anatomy, low quality, nsfw“
この場合、人体の歪みが最優先で排除され、次に低画質、最後に性的な表現が排除されます。
同じ要素を使っていても、並び順が異なれば出力は変わってきます。性的な要素を完全に排除したい場合は”nsfw”を先頭に持ってくる必要があります。
さらに、プロンプトとネガティブプロンプトの相対的な並び順にも注意が必要です。
例3) プロンプト: “photo of a woman”
ネガティブプロンプト: “nsfw, bad anatomy, low quality”
例4) プロンプト: “nsfw photo of a woman”
ネガティブプロンプト: “bad anatomy, low quality”
例4のように、プロンプトに”nsfw”を含めた場合、ネガティブプロンプトに”nsfw”は不要となります。プロンプトで与えた要素は優先されるためです。
プロンプトとネガティブプロンプトの両方の並び順を工夫することで、ユーザーの意図により近づけた出力を得られる可能性が高まります。
プロンプト調整のコツ
ネガティブプロンプトの調整コツ
試行錯誤が重要
ネガティブプロンプトの設定も試行錯誤が不可欠です。除去したい要素を少しずつ変えながら、どのように出力が変化するかを確認する必要があります。ネガティブプロンプトの順序を入れ替えたり、言い回しを変更したりして、理想に近づけて行きましょう。
言い回しの違いに注意
ネガティブプロンプトの言い回しを変えるだけで、出力がかなり変わる可能性があります。
例:
“bad anatomy” と “deformed”
“blurry” と “out of focus”
同じ意味合いでも、使う言葉を変えるだけで除去される内容のニュアンスが変化します。うまい言い回しを探すことが大切です。
排除対象の優先順位を意識
ネガティブプロンプトの並び順は、除去対象の優先度を決めます。最初に書いた項目ほど強く反映されます。
例:
“nsfw, low quality“
→ 性的な要素を最優先で排除
“low quality, nsfw“
→ 低画質を最優先で排除
こうした順序の変更で、まったく異なる出力になります。優先すべき除去対象を先頭に置くことが重要です。
創造性の発揮に活用
ネガティブプロンプトを工夫して、却ってポジティブな要素を際立たせることもできます。
例:
“text, realistic”
→ 抽象的な非現実的な作品に
“anime”
→ 写実的な作品に
このように、除外要素を上手く設定することで、創造性の高い独創的な出力が可能になります。
ネガティブプロンプトには多くの可能性があります。試行錯誤を重ね、言い回しや順序を意識しながら、理想を具現化していくことがコツとなります。
まとめ
ネガティブプロンプトの要点総括
- ネガティブプロンプトとは、Stable Diffusionにおいて「生成してほしくない要素」を指定する機能です。
- プロンプトで指定した「入れたい内容」と組み合わせることで、よりユーザーの意図に沿った出力が得られます。
- ネガティブプロンプトの設定次第で、ノイズ除去、奇形防止、非現実的な要素の排除など、様々な調整が可能です。
- プロンプトとネガティブプロンプトの両方の単語の並び順が、出力に大きな影響を与えます。
- 適切なネガティブプロンプトの選択と並べ方には、試行錯誤が不可欠です。
上手な活用による画像生成の質の向上
- ネガティブプロンプトを効果的に設定することで、出力画像の品質が大幅に向上します。
- ノイズ除去により綺麗でクリアな画像に、奇形防止によりキャラクターの整った作画がされるようになります。
- 非現実的な要素を排除することで、リアルでナチュラルな風景や物体が生成されるようになります。
- プロンプトの言い回しの違いに合わせて、ネガティブプロンプトの表現を変えることで、細かいニュアンスの調整が可能になります。
- さらに、ネガティブプロンプトを創造的に活用することで、オリジナリティ溢れる独創的な作品も生成できます。
ネガティブプロンプトは、Stable Diffusionの高度な活用に欠かせない重要な機能です。上手にネガティブプロンプトを設定することで、理想とする高品質な画像生成を実現しましょう。
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